街を回っていると、珍しいものが目についた。
宝石店である。


この世界では宝石を神からの授かり物だという考えがある。
土魔法を使えれば作れるが、それを知っているものはいない
前世の記憶があるからこそ分かる知識である。

故に宝石店は少ない
宝石はそうとれるものではないからな。


宝石店の目玉は人魚の涙らしい
まぁ、真珠だな。

この世界の真珠は貝の魔物から採取される。

真珠の大きさはだいたい直径5mmから、大きくて2cmが通常
大抵が形が丸くなく歪であるが、その美しい輝きから装飾に使われることもある。
残念ながら加工技術はそこまで発展していないのである。

貝の魔物にも種類があり、その種類により色も違う
真珠の大きさは、その魔物の強さに比例すると言われていて大きい物ほど高く丸い物ほど高く売れる


この宝石店にはほとんど真珠しか置いていない
まあ、海の近くだしそれが妥当か


「いらっしゃいませ
どういった物をお求めでしょうか」


「特には
良いものがあれば買おうと思ってな」

「でしたらこちらの商品は入ったばかりでして、形、大きさ共に最高級品でございます
良質な人魚の涙には魔力が込められてあり、身に付けていると身体能力が上がったり、魔法の力も大きくなります。

指輪、ネックレス、ブレスレット、お好みの物にお作りすることも可能でございます」


七色に輝く真珠を店主がさした。
2cmほどの真珠には確かに魔力があるがそれほどでもない。


1つだけか…

どうせ買うのならば、リルとリラに与えたい
1つだと足りないな…

「在庫はこれだけか。」

「はい、申し訳ございません」

「ならよい。
他をあたろう。」

そう言い残し店をでた。


真珠の首飾りを二匹につけるのもいいかもしれない。
イヤリングでもいいか…

魔法で外れないようにすれば戦闘中も気兼ねなく戦えるしな

となると、自分でとりにいったほうがいいか