「コレとコレを2つずつ。」

「はいよー!
4つで銀貨4枚だね!」

「…高くないか?」

「いやぁ、そんなことないさ!
この2匹は通常の1.5倍はある!
それにこのペッシュって魚は海の底に住んでると言われててねぇ?なかなか取れないんだよ!
それにどれも新鮮!
ペッシュが2匹で銀貨3枚、そんでパトラーが2匹で銀貨1枚、これでもお手頃価格さ!」

ふぅん。
嘘を言ってるようには見えないし、まぁ、いいか。


「まぁ、いい。」

そう言い、銀貨4枚を支払う。

「ありがとさん!
また来ておくれよ!」

袋に入れられた魚を受け取り、ペッシュを1匹ずつリルとリラに与えた

「(やったぁ、ご飯!)」
「(ぷりっぷり~!)」



"おい、あんな犬にペッシュなんて与えてるぜ?"
"馬鹿な金持ちだろ。カモにはもってこいだな。"
"おい、馬鹿。知らねぇのか?
黒髪黒目っつたら冷酷な冒険者か、勇者だろ。
しかも黒は魔力の量が半端じゃねぇらしいぞ"


うざったい声が耳に届く。
俺の噂や、悪口のようなものを話しているのはよく聞くが気にしてはいない。
しかし、俺に対して牙を向くのであれば話は別である。


かかってきたら返り討ちにするまでだがな。
俺の噂は冷酷だのなんだのっていう悪い噂から、人助けだのなんだのっていういい噂まである。
嘘も多いので訂正も面倒だし、何より人にどう思われてもいいと思っている俺からしたら噂なんてものはどうだっていいものである。

この大陸内であれば、俺のことを知っている人も多いのかもしれない。
いろんなところを転々として暴れてきたからな。

ただ、海わたったことがなかったため、今回は海を渡ろうと思う。

ま、アクパトルで1ヵ月ほどゆっくりするがな。