あそこで…血まみれの葵が……。




「あの位置だと、屋上から落ちたのかなぁ……」




萌が、ぽつりと呟いた。




私の心臓の音が速くなっていく。


だって、本当にその通りだったから…。


私が、屋上で葵を突き落としたから…。




私は、一瞬、もしかして、萌は葵が落ちていったところを実は見ていたのではないか?


と疑っていた。


だけど、普通に窓から警察達の声が聞こえてくるので、


そこから知ったんだ…と胸を撫で下ろした。




もし、葵を殺したのが私だと知られたら…、


萌は、どうなっていたんだろう。


私は、どうなっていたんだろう。




そんな疑問が、頭を横切った。




もうやめよう。


こんな暗い事、考えるのは。