ぐったりとうな垂れた体。


ぼさぼさの髪の毛。


カサカサの唇。




全部、いつもの萌じゃなかった。




「どうして……窓を見ていたの?」


「…………分かんない。


ただ……見てた」


「そうなんだ…」




私も、さっきの萌のように、窓の向こうを見てみる。


すると…そこからは血まみれの葵が倒れていたと思われる、コンクリートの地面。


群がる人。




「…」




思わず、黙って見入ってしまう。




「葵ちゃん……きっと、あそこで死んだんだね………」


「そうかも、ね……。


人がいっぱい集まっている…。


警察かな…」


「多分ね……」