皆も、続いて笑うけど、


その笑いは、作っている。


皆、顔が引きつっているし、声も上擦っている。


私もだけど…。




キーンコーンカーンコーンとチャイムが鳴り、


昼休みが終わってしまった。




私はそれから、"噂のアヤメちゃん"という言葉が、頭から離れなかった。




-アヤメちゃんは、幸せな人の前にしか現れない。




葵は、そう言った。


私は今、とても幸せな日々を送っている。


だったら、もしかしたら…。




私の前にも、現れるっていうの…?




そう思うと怖くて怖くて、まともに授業なんか受けてられなかった。




まさか……ね。


そんな訳、あるはずないよね?


だって…ただの噂だし………………。




そう自分に言い聞かせた。