「じゃあ、いま、雨とキスしたら……うすしお味なのかな?」

「え…………」

いきなりの発言に、雨も驚いたようで、こっちを驚いた目で見ていた。

「………なんて、ね」

「……………」

軽く、ごまかすと、雨は少し笑っていたけど、顔が少し引きつっている。

「…………いや?」

「え?」

「…試して、みる?」

「……………」

「……………」

雨は目を細めた。

「……………ん」



雨の顔が、少しずつ顔に近づいてくる。

そ、そろそろ目閉じるかな………

私はぎゅっと目を瞑った。


………………


口元に、何かあたった。

雨の口唇だ。

……漫画とかでは、やわらか~いみたいな感じだったけど、実際の雨の唇は、なんだか……乾燥していて、パサパサな気がした。

「………………」

何度か、口の角度を変えてキスをしてから、私は恥ずかしくなって、雨の胸に顔をうずめた。



プッ………



雨がテレビの電源を消した。

そして、雨も私を抱きしめてくれた。



後ろ……ベッドだし………もしかして…。



しかし、次の雨の言葉は、予想だにしないものだった……。