「そうだけど、誰から聞いたの?」

……別れ話を盗み聞きしてました、とは言えないしな………。

「昨日、お兄ちゃん運んでくれた…ダイキって人言ってた」

「もー対外おしゃべりだな……あいつも」

「あんな迷惑かけたんだから、そんな事言わないの………それで、学校行ってないの?」

「んー……何か、たるくなって」

言葉通りたるそうに寝返りを打っていた。

「私もあんまり学校行ってないから、あんま言えないけど……でも、昨日ダイキさんに言われたんだ。誰かに金出してもらって行ってるんだから、ちゃんと通ったほうがいいって」

「んー…………」

私が熱弁しても、返事はつれなかった。

「退学は嫌でしょ?」

「もー退学でもいいけどね。成績もやばいし」

「………それ、本気で言ってるの?」

「だったら?」

お兄ちゃんが挑戦的な目を向けてきて、余計にムカついた。

「そんな………途中で辞めるんだったら、最初から高校なんか行かずに働けばよかったじゃん!お兄ちゃんがそんな無責任な人だと思わなかった」

「冬美にそれ言われるとなー……」