雨くんは私と少し似てるところがあって、興味ないものには一切自分から触らない。

自分からは行動せず、よってきて嫌じゃなければ基本OKって感じだ。


まあ、拒否られるよりは……全然いいんだけど………


雨君は誰に対してもそうな気がするから、私のこと……どう思ってるんだろ。




デート当日。

「やばい………」

私は走って待ち合わせ場所へ向かった。

昨日は全然寝れなくて、寝坊してしまった。

映画は午後からの観にいく予定で、待ち合わせは昼すぎだったけど……昼ご飯、食べ損ねた……………。


大きな噴水の前には、TシャツにGパン姿の雨君がいた。

「ご、ごめんなさい、遅れて………」

着いた拍子に謝りだした私に、雨君はきょとんとした。

「いや、俺も来たばっかだし」

「よかった………」



早速、映画館のチケット売り場に並んでチケットを購入し、劇場の席に座った。

「…………どうかした?」

不意に雨君が顔を覗き込んできて、どきっとした。

「……え?」

「何か、いつもと違って無口だけど」