「そっか♪じゃあ、女の子から告白するのも、アリだよね?」

「え?」

少し気恥ずかしそうに顔を伏せていたお兄ちゃんが、急にヘンな顔をした。

「冬美、好きなやつでもいるの?」

「いや………違う、と、友達!友達が………そう言ってたの」

咄嗟に思いついたにしては、結構ナイスなごまかしだと思った。

「ああ……あの、和久が好きってこ?」

「あー……てゆうか……なんか、確認してみたら、人違いだったみたい。ごめん」

「そっか~和久に彼女ができたら面白かったのにな」

お兄ちゃんは少し残念そうにベッドに寝転がった。

「なんで、面白いの?」

「んー(笑)あいつ、不思議ちゃんだから、彼女ができたのが想像できない」

「ふーん」


お兄ちゃんからみた雨くんは………そんな印象なんだ。

今日、その人と一緒に下校した……なんて言ったら驚くだろうな。

…………言わないけど。


「ただいまー」

玄関から、みやちゃんのヒールを脱ぐ音がした。