教室の中から顔だした男子生徒が、ノリちゃんを呼んだ。

「あ、忘れてた。じゃね、二人とも」

ノリちゃんは急いで教室に入って行った。

さっきの話………了承してくれたかな?

話が途中で途切れちゃったもんなー。

ノリちゃんからすれば意味わかんない用件だし。

でも、ノリちゃんはいい人だ。

今朝、協力してくれたし………ノリちゃんを、信じよう。

「もう帰り?」

「あ、はい」

後ろからの雨くんの声に、私はどきっとした。

向こうから話しかけられるなんて思わなかった。

ふ……不意打ち………

「あ………、一緒に、帰っても、いいですか?」

「え………?」

雨君は少し目を見開いた。



やだ……私、今日知り合ったばっかなのに…………。


な、馴れ馴れしいとか……思われた、かも。


「あ、一緒に帰る人とかいるなら……アレですけど」

「いや、いいけど………方向一緒?」

「い、一緒です。一緒」

うそー今日………めっちゃついてる♪


「雨君は、バイトとかしてます?」

「今は何も」

「そっか………今まで、何かやってました?」