マナミは結構、キャパが広く、他校や先輩にも知り合いが多い。

「マナミさ、3Fに知り合いいる?」

放課中に聞いてみた。

「んー?3F?えーと……いないかな」

「そっか…………」

「3Fがどうしたの?てか、冬美のお兄ちゃんいるじゃん?」



「実は………誰にも、言わないでね?」

「?うん」

マナミは不思議そうな顔しながらも、了承してくれた。


「万理にも言ってないんだけど………気になる人がいるの」

「おおっ♪いいじゃん。どんな人?」

私は小声で話しているのに、マナミは楽しそうに大きな声で聞き返してきた。

「んー………あんまり、よく知らない人なんだ」

「そうなの?メールとか、してないの?」

「う、ううん。アドレス知らないし………話したことも、ほとんどないの」

「え?何で好きなの?一目ぼれ?」

まだ、好きとは決まってない……けど。

「一度、私のバイト先にパン買いにきてからずっと気になってて………まだ、好きかもわかんないけど」

……なんか、自分で言ってて恥ずかしくなってきた。

「へーなんか、冬美……かわいいっ♪」

「い、いや、そんな」

急にそんなこと言われると、照れる。