「諦めるなら、早く断ち切った方がいいよ」

「……………」

雨を、諦める……。

そんな事、できるのかな。

ていうか、雨以上に好きになれる人がこれから現れるかも疑問だ。

「無理にしろとは言わないけど、新しい彼氏作って忘れるのもアリじゃない」

「……そんな、誰かを忘れるために他の人とつき合うなんて……」

私には、できない。

「……まぁ、あんた真面目だしね」

「雨のこと、嫌いになった訳じゃないし」

「でも、一緒にはいられないんでしょ?」

「…………」

雨と一緒にいるためには、雨の過去を受け入れなきゃいけない。

でも、そんな覚悟できない。

「ねぇ、冬美」

「ん?」

みやちゃんは箸を置いた。

「辛いのは、あんただけじゃないと思うよ」

「…………」

「あんたが、雨くんの妊娠させたって過去を受け入れられない限り…どれだけ一緒にいても雨くんだって辛くなるだけでしょ」

何も、言えなかった。

私は、雨の過去を知ったあと……雨の傷をえぐる事しかできなかった。

雨は勇気を出して打ち明けてくれたのに、私は責めた。

「……じゃあ、どうすればいいの?」