高校に入ってすぐできた友達は、
西村 由理(にしむらゆり)だった。

「ゆりー!次たいくだよー?いこ!」

「はーい!今いく!」

「か、かっこいい…」
体育館へ通じる階段に3年男子が4人ほど座っていた。

「葵。わかるよ。やばっ。かっこよすぎ。」

体育、美術などの移動教室にいく時は絶対あってしまう。それが楽しみになっていた。

あれから一ヶ月。

「ゆりっ!とうとうわかっちゃったんだよ!やばい!どうしよう!」

「ちょ、ちょ、なにがよ!」

「ほら、階段の先輩よ!
バスケットボール部の大野永遠(おおのとわ)って人らしいの!」

「バスケとかいけめんやろ」

「ゆり好きそー笑」

「すきすき!あっ、もう授業始まる!行こう?」

そのときは、ただの憧れだったのかもしれない。