「……ごめんね、ツバサ。おそくなっちゃった」

時海がイルカに声をかけると、気にするなというようにイルカが鳴いた。

「岩までお願い」

……岩?

時海がイルカに飛び乗るとイルカは海の真ん中につきでている岩まで時海を連れて行った。

時海はイルカをひとなですると

「ありがとう。朝は乗っけてきてもらっちゃったから帰りは自分で泳いで帰るよ」

……泳ぐって……。何言ってんだ?

しかし妙にいうこと聞くイルカだな……。

まぁいいか、帰ろう。

俺は踵を返し、前足を一歩前に踏みだそうとした。

「……まって」