不安な時間は長く感じるはずなのに、その不安を心の奥底にしまいこんだせいか、気が付くと、あたりは暗くなり始めていた…。もうすぐデートは終わる…。

「あ~っ、楽しかったです。もう乗りたいもの全部乗ったし。」


「俺も久し振りに童心に帰って楽しかったよ。留里と始めてデートできたし。」


また、そんなこと言って、ズルい………。


「あはっ、こども相手で疲れませんでしたか?」あたしは、少しだけ意地悪になっていた。


「留里、最後に観覧車乗ろっか?」


「うんっ。」
この夕暮れどきの観覧車に乗るために並んでいるのはカップルばかり…。あたしも神谷さんと乗りたいと思っていたけど、昼間あんなことあったから自分からは言い出せなかったんだ。