お母さんに呼ばれて、あたしは慌てて階段を下りる!

玄関には神谷さんがたっていた。


いつも見慣れてる神谷さんだけど、今日はなんだか一層輝いて見えるよ~。デートマジックかな?

黒いTシャツに細身のカーキのパンツ。こんなにシンプルなのに、凄いかっこよく着こなしてる。身長高いし、細身だけど肩幅あるしなぁ。
男の人の肩幅って大事だよねっ。


「神谷君、久し振りにバイト休みなのに、留里の相手なんて、悪いわね~。」
お母さんっ、デートなんだよっ。

お母さんにはデートって言ったけど、鼻で笑われたよっ…。


「いえっ。俺が行こうって誘ったんだし。留里ちゃん、お借りしますっ。夕方には送り届けますからっ」

「あらっ、何時でも構わないわよ~。あたしも今夜はお父さんとデートだしね!」


そう、うちの両親は恥ずかしいくらい仲良しなので、あたしが留守だと喜んで出かけてゆくの。
それにしても、大事な一人娘がデートだっつ~のに、色々心配しないのかなぁ?


「留里、わがまま言って神谷君困らせちゃ駄目よっ!」

「はいはい………」

つまるとこ、こども扱いなだけなんだよな…。
あたしとお母さんのやりとりを笑いながら見ていた神谷さん。

「じゃ、行こうか?」「はいっ!」