「連絡していただき、ありがとうございました。」

あのあと、慌てて自宅を出た母が、今病院へ着いて嘉雄に御礼の言葉を言ったところだった。

嘉雄も、友紀奈の母に御礼の言葉をかけてもらい急に緊張してきてしまった。

そう、数日前にお付き合いの宣告をしたからだった。

友紀奈の母は忘れているかもしれないが、嘉雄は恥ずかしかった。

しかし、これはちゃんとしておかないといけないと嘉雄は思っていた。

そして、再度

「これで、正式にお付き合いさせてください。」

と嘉雄は友紀奈の母にふかぶかとお辞儀をして言った。