あれから、5日が経っていた。

友紀奈の意識は、まだ戻らなかった。

嘉雄は、毎日病室へ通った。

とにかく、今週は仕事を休んだのだった。

嘉雄の頭の中には、友紀奈以外のことなど入る余地はなかった。

いつも、集中治療室の前の長いすに腰掛けていた嘉雄だった。

すると、

「鈴木 友紀奈さんの身内の方ですか?」

と看護師が聞いてきた。咄嗟に、嘉雄は

「ハイ!」

と答えていた。