「では、友紀奈さんが意識を取り戻したら、許可してもらえますか?」

と、嘉雄は聞いた。その言葉に自分でも驚いていた。

友紀奈の母は、軽く頭を縦に振っただけだった。

「嘉雄さん、ご自宅は?」

と友紀奈の母が聞いた。

「はい、群馬です。」

友紀奈の母は、その言葉を聞いて一瞬とまったが、

「では、遠いところから、こんなに朝早くに来ていただいて、ありがとうございます。」

と母が言ったので、嘉雄は、

「いいえ、教えていただき本当にありがとうございます。自分はこれから近くのビジネスホテルに予約してきます。」

と言ったので、友紀奈の母が

「いいえ、もし友紀奈の意識が戻ったら連絡しますから、ご自宅へお帰りになってください。」

と言ったのと同時くらいに

「いいえ、ココに通わせてください。」

そう言った嘉雄の顔には、なぜか爽やかさが感じられていた。