「でも、今日は面会できないので・・・」

「わかっています。少しでも、側にいてあげたいのです。」

と嘉雄は誠意を持って話した。

友紀奈の母は、嘉雄の気持ちに心を打たれた。

そして、病院の場所を教えると嘉雄は丁寧にお礼を言って電話を切った。

電話を切ったあと、嘉雄はいてもたってもいられない気持ちで家を出た。

とにかく、明日一番に会うためにも、すぐに病院へ向かって車を走らせていた。

嘉雄の心の中では、もう二度と同じ後悔だけは避けたかったからだ。

動揺しながらも、一歩一歩、友紀奈のいる病院へ近づいていた。