友紀奈の母は、看護師の一人に連れられて集中治療室へと向かった。

そこには、たくさんの管をつけられて機械に頼って息をしてる娘がいた。

母は、

「友紀奈!」

とマスクの中から叫んだ。

だが、友紀奈は全く反応しなかった。

いくらかの時間、友紀奈の手を握ったりしていたが、看護師が

「もうそろそろお時間です。」

と声をかけてきた。

ココは完全看護だったので、一緒に泊まることはできなかった。

「娘を、よろしくお願いします。」

その一言だけを、友紀奈の母は言い残して、部屋を出て行った。

とにかく、公衆電話から電話して、友紀奈の父、悟に迎えに来てもらうことにした。

友紀奈の父と母は、とりあえず今日は帰って寝ることにした。