どのぐらいそのような時間が過ぎたであろうか・・・

一人の医師が手術室から出てきた。

「お二人は、お互いの親御さんですか?」

とその医師は手っ取りばやく聞いた。

「ええ。」

と二人同時に答えていた。

「大変、言いにくいのですが、男性の方・・・下里 雅史さんでしたよね。」

と確認した。

「ハイ。」

と母が答えた。

その答えた母に向かって、医師が言った。

「大変、残念なのですが・・・最善の努力をしましたが、息子さんはたった今、息をひきとりました。」

と言ったか言い終わらないうちに、雅史の母が泣き崩れた。

そして、医師は友紀奈の母の方へ向き直り・・・