「さぁ、いただきましょう」

そう言って、母はお手製の中華スープを二人によそっていた。

今日の夕飯は、中華だった。

思えば、あの中華街へ行った時のことが友紀奈の頭の中をよぎった。

実は、雅史も同じことを考えていた。

いったい、この母は何者?と思わんばかりであるが・・・

母は何も考えない幸せものだった。