「お母さん、疲れたよ~」

と友紀奈が言うが、母は聞かぬふりして、さらに指図していた。

「あっ、雅史君はこれね!」

と言いながら、しっかりと力仕事をさせていた。

さすがに、日頃 仕事で人を使っているだけある母は人使いも上手かった。

三人で母の指導のおかげで、手際よくできたのでアッという間に夕飯が出来上がった。

メインは、餃子だった。

母は、手があると必ず餃子を作るのだった。

「わぁ~、雅史君と友紀奈のおかげで、こんなにたくさんの餃子がアッという間に出来上がったわ~」

と、母は違う感動を覚えていたようだった。

そう、餃子の数はざっと100個はあった。

友紀奈は、相変わらず母の人使いの荒さに、怒りよりため息を覚えた。