「ただいま~~~」

と友紀奈の母が帰って来た。

相変わらず、母は呑気だった。

「さて、せっかく二人がいるのだから手伝ってもらいましょ!」

と言いながら、母は二人にいろいろと指図した。

おかげで、重い空気が一気に晴れ渡ったようだった。

「さぁ、二人ともこれよろしくね!」

と母がどんどん料理の手伝いに参加させていった。

二人は無言で手伝うしかなかった。

この二人の状況を本当は知っていたのではないかと思うほど、母は間髪入れずに手伝わせた。