杉本 悠人









凪が部屋を出ていき、沈黙があった







すると、椿さんが







「はると…くん?」
そう言ったのではい、と返事をした







「あの子は…凪は、
良い子なんだ。
確かに俺は兄馬鹿だけど、
周りから見たら誤解されやすいが
良い子なんだ


笑わないけど、
ちゃんと理由もあるし、
今のところまだだけど、ちゃんと笑えるようになるよ
だから、お願いします」







そう頭を下げた椿さんは涙を流していた
「はい。
俺の方こそダメダメだけど
凪が好きになってくれて嬉しかったです
お兄さんたちみたいにきちんとは守ってあげられないかもですけど、


ちゃんと守ります!
どうか、大切な妹さんを……
任せてください!」







そう言い頭を下げた
昔の俺だったらありえない
誰かを好きになること自体がありえなかった







なぜだか凪に惹かれて、
勢いで告白をして、
何も知らないけど
凪を絶対に笑わせて見せるって、決めたんだ







心の中でいつも願っている
……………ねぇ、笑って………………







おれは、泣く顔と困った顔と苦しんでる顔しか見たことがない







笑った顔と起こった顔、照れた顔に意地悪な顔も見たい
子供っぽい顔も見たい
だから…君を安心させていろいろな顔を見してもらうよ







本当に、大好き