俺が彼女に恋をしたのは高2の春のことだった。
クラス替えをしたとき、初めて彼女の存在を知った。
友達と話している彼女の笑顔があまりにも
華麗で一目惚れをしてしまった。
本気で恋に落ちてしまった。ろくに人を好きになったことのない俺が…

ーキーンコーンカーンコーンー
ーキーンコーンカーンコーンー
『おはよー』
『新しい先生がくるんだってぇ!』
こんなくだらない会話が飛び交うなか、俺はいたってクールを装ってクラスの窓側の一番後ろの席に座った。

「よう!またお前と同じクラスかよ!」
気軽に話しかけてきたのは、中学からの友達、中嶋 優斗(なかじま ひろと)だ。
「よう、おはよう。」
「何だよ!真弥!!元気ないなぁ?何かあったかぁ?!恋でもしたか!」
「は、はぁ?意味分からねぇ!あっち行けy」
『はーい!席につけぇ!』
先生がタイミングよく入ってきた。
(ナイス!先生!)
『一時間目は全校集会だから体育館履きもって体育館に移動しろぉ。』
きっとさっき話してた新しい先生とやらのことだろう。

体育館ではだるそうに腰を下ろしている生徒がたくさんいた。
俺もその一人だった。
新しい先生の話は超がつくほど長く、寝るものもいた。
優斗も堂々と寝ていた。
長々と話した先生は満足そうにステージを降りていった。
先生たちも疲れているのが分かった。

教室に戻ると、先生の自己紹介が始まった。
担任の名前は友永 博信(ともなが ひろのぶ)年齢は教えてくれなかった。
奥さんと息子さんがいるそうだ。
まあ、興味はないけど。

そして、新しいクラスになったからと言って恒例の自己紹介が始まった。
俺の番、軽く挨拶して終わった。
そして、彼女の番がきた。