呼び止めても、稲瀬はこっちを向いてくれない…
そして私と稲瀬は、いつもの花壇のある裏側にやって来た…
花壇の前まで来ると、稲瀬は掴んでいた私の手をそっと離した。
「…お昼まだ でしょ?ついでだから食べよ」
「・・・・」
さっきのことはなかったように、いつも通り稲瀬に話しかける。
「今日のおかずはね、唐揚げ入ってるよ。昨日味付けしたやつだから、味がよくしみて…」
「なんでそんな顔すんの…?」
「…」
稲瀬のその言葉で、私の動きがピタリと止まった…
「…俺の前でそんな顔すんなよ。無理して…笑うなよ」
「…」
私の唇と、肩が震えた…
“あんたとは、前から合わないと思ってたんだよね”
「……う…」
“消えてよ”
「…うぅ……」
“陽葵ちゃんのこと、前から嫌いだったんだよね”
「…ふ…うう…」
ずっと我慢してたものが、一気に溢れだした…
喉の奥が焼けるように痛くて、胸ズキズキと傷む…
ぎゅ…
流れ出る涙を、手でぬぐっていると…
稲瀬が私をそっと抱きしめた。
恥ずかしいとか、照れくさいとか…このときは思わなかった…
私は、稲瀬の胸を借りて泣いた…
傷ついた分の、涙を流し続けた…
「…藤川?」
少し涙が落ち着つくと、稲瀬は私を抱きしめながら、私の顔を覗き込む。
「大丈夫…?」
「…う、ん…ひく…」
「座れる?」
「…ん」
私は稲瀬からそっと離れ、花壇のレンガに腰をおろした。
「なんか飲むもの買ってくる…」
「うん…」
そして私と稲瀬は、いつもの花壇のある裏側にやって来た…
花壇の前まで来ると、稲瀬は掴んでいた私の手をそっと離した。
「…お昼まだ でしょ?ついでだから食べよ」
「・・・・」
さっきのことはなかったように、いつも通り稲瀬に話しかける。
「今日のおかずはね、唐揚げ入ってるよ。昨日味付けしたやつだから、味がよくしみて…」
「なんでそんな顔すんの…?」
「…」
稲瀬のその言葉で、私の動きがピタリと止まった…
「…俺の前でそんな顔すんなよ。無理して…笑うなよ」
「…」
私の唇と、肩が震えた…
“あんたとは、前から合わないと思ってたんだよね”
「……う…」
“消えてよ”
「…うぅ……」
“陽葵ちゃんのこと、前から嫌いだったんだよね”
「…ふ…うう…」
ずっと我慢してたものが、一気に溢れだした…
喉の奥が焼けるように痛くて、胸ズキズキと傷む…
ぎゅ…
流れ出る涙を、手でぬぐっていると…
稲瀬が私をそっと抱きしめた。
恥ずかしいとか、照れくさいとか…このときは思わなかった…
私は、稲瀬の胸を借りて泣いた…
傷ついた分の、涙を流し続けた…
「…藤川?」
少し涙が落ち着つくと、稲瀬は私を抱きしめながら、私の顔を覗き込む。
「大丈夫…?」
「…う、ん…ひく…」
「座れる?」
「…ん」
私は稲瀬からそっと離れ、花壇のレンガに腰をおろした。
「なんか飲むもの買ってくる…」
「うん…」