っ!!


もしかして…

昨日と今朝感じた視線て、みんななの…?

私と稲瀬のこと、つけてたってこと…?




「陽葵ちゃん信じてた、あたしらがバカだったよ」

「ち、違うよ!稲瀬とは同じ委員会で…」

「もういいから!あたしらの前から消えてよっ」





“消えて”という言葉が、胸に刺さる。





「それに、前から陽葵ちゃんのこと嫌いだったんだよね~話とか全然合わないし」


!!!



前にも…同じこと言われた…


そのとどめの一言を言われ、私のなんとか保っていた心は、バランスを崩した…



やばい…泣きそう…





「みんなー特に女子!陽葵ちゃんに好きな人の相談とかしない方がいいよー!平気で横取りするから~」

「クスクス…」


クラス全体に聞こえるように、大声で言うその友達。


いや、もう友達なんかじゃない…

初めから…友達なんかじゃなかったんだ…







ガタンっつつつつ!




ビクッ



すると、後ろの席の方から、ものすごい大きな音がした…

とっさに振り返ると…






……ぁ


教室は静まり返り、窓際の一番後ろの席を、全員が見ていた。




いな…せ…



その席は稲瀬の席で、机が床に横に倒れている…

椅子に座りながら、稲瀬はものすごく恐い顔をしてした。



稲瀬…

机を蹴り飛ばしたの…?




クラス全員が、稲瀬にビビっていると…






稲瀬は私に近づき、私に罵声を吐いた子を想いっきり睨んだ。

そして私の手を引き、教室から出ていく稲瀬。






「ちょ、ちょっと…」

「・・・・」