「急がねえと、電車混むぞ?」

「あ、うん!」


私は走って稲瀬に追い付き、二人で駅に向かって歩き出した。






ガタンゴトン

ガタンガタン…


学校へ向かう電車の中で、私は早速稲瀬からもらったイヤホンジャックを、自分のスマホにつけた。


かわいい♪

また、ヅラにゃんこグッズ増えたよ~


日和にもらった定期入れと、あと鍵につけてるマスコットもヅラにゃんこだし♪

それに…



私は、スマホのあるアプリを起動させた。





「…なにそれ?」




隣にいる稲瀬が、私のスマホを覗き込む。




「ああ、これ?ゲームだよ!“ヅラにゃんこ戦争”」

「あ?」

「ヅラにゃんこ戦争!自分の国をつくって、他の国と戦争してくやつ。今すごいハマってるんだ~」

「へー(汗)」


手すりに捕まり、呆れた顔をする稲瀬。





「稲瀬もやらない?友達招待すると、マタタビがもらえるの!」

「やらない。つーか、マタタビってなに?」

「体力だよー!それがないと、戦争できなくて…ん?」


稲瀬と話していると、また誰かの視線を感じた。


昨日と同じ感じ…

なんだろう…






「次、降りるぞ」

「あ、うん…」


私は、辺りをキョロキョロと見渡した。



やっぱり気のせいだよね。




電車が学校の最寄り駅に着き、私は稲瀬と学校へ向かった。

そして裏庭へ行き、委員会の仕事をやった。





「あつ…」


委員会が終わり、稲瀬と教室に向かって歩いていると、稲瀬はポケットから昨日私があげた扇風機を出した。




ブォオオオオーン


「やっぱいいな、これ」


稲瀬は、扇風機の風を顔に当てる。



よく見たら…

稲瀬の扇風機と私の持ってる扇風機って、色が反対なだけで似てない…?

なんか、おそろいみたい…?


いやいや!

考えすぎっ



がやがや