「聡美ちゃんはね、ママのサロンの昔からのお得意様なの」




お得意様って…お客さん!?




「だんだん仲良くなって、お客様から友達の関係になって親しくなったのよ。お互いバツイチだし、子供も同い年だし気があっちゃってさ~」


お母さんが続ける。




「でさ。私たち仕事で、明日ちょっくらパリまで行くついでに、お互いの子供に会いに行こうってなったわけ!最初に私んちに寄って、次に聡美ちゃんちに行こうと思ってたら、陽葵と聡美ちゃんの息子が現れるからビックリしたわよ~」




ケラケラと笑うお母さん。




「 最初に家に寄ったとき、日向しかいなくて、日向に聞いたけど…あんたたち、お互い同じ学校なんだって?住所聞いたら近かったけど、まさかもう知り合いとは思わなかったわよ~」

「・・・・・」


言葉が見つからない私たち…



とにかく、お母さんと稲瀬のお母さんの聡美さんは、友達ってことだよね…?

世間て狭いな、本当に…


しかも、お母さんたちの方が、私たちよりも付き合い長いんだ…




「陽葵ちゃんと日向ちゃん、ごめんなさいね。私…息子たちと久々会うと、どうしても涙が出てしまって…」


涙を拭きながら、聡美さんが私たちに謝ってきた。




「いえ、そんな…」

「謝っていただくことじゃ…」

「二人ともいい娘さんね、多香子(たかこ)ちゃん!こんなかわいくて、しっかりしてる!」


聡美さんが、隣にいるお母さんの肩をさする。

ちなみに、お母さんの名前は『多香子』。





「そうよ~二人とも自慢の娘なの♪私に似て、顔も性格もいいのよ~日向は前の旦那に似て、かわいい系♪陽葵は私に似て、美人系なの♪」

「ちょっとお母さんっ」

「やめてよ(汗)」


めっちゃ恥ずかしい…

親バカ過ぎる…





「しっかし、聡美ちゃんの息子たちはいい男ね~♪二人とも、聡美ちゃんに似てるわよ!なにか芸能の仕事でもさせてるの?」

「そうでしょ~?息子たちは、私の多からよ♪芸能系は私がダメって言ってるのよ~変な女優とかモデルに、息子たち取られたくないもんね~」

「…やめろ(汗)」

「・・・・(汗)」


親バカは、うちの親だけじゃなかった(汗)