ツバサがとまった。

目的地についた、ってことだ。

「ありがとう」

ツバサは一声鳴いて私を岩の上に運んだ。

私はツバサの頭をなでて、岩の上に座る。

漁船が来ていないのを確認して、コロンのポンプをおす。

シューッと虹色の液体が私の尾びれにかかると尾びれは足に変わった。

胸から足にかけると、貝や真珠で出来ていた服(?)が学校の制服に変わる。

最後に髪にふりかけると青かった髪が黒に変わった。

私はほら貝の笛を吹いて、またツバサを呼ぶ。

「……砂浜までお願い」

ツバサは頷いて私を背中に乗せ、泳ぎだした。

……私は時海(イツミ)。私は人間。