寝室からここまで直行してきたのか、部屋着のままのうえに、寝癖がついている。 どうやら、寝起きらしい。 「お母さんはもうちょっと寝てなよ。あと、屋台で適当に食べるから、朝ごはんはいいよ。昼におせち食べるね」 「そう……。気をつけるのよ。あと……」 お母さんがそう言ったあと、部屋着のポケットにたまたま入ってた使い捨てカイロを私に渡す。 もちろん、未開封。 「これ、持っていきなさい。風邪、ひくわよ」