今の父親はその記事事件以来、俺のことを 『すばる』でなく、『ピアニストの父親の息子』という目で見るようになった。 俺がピアノで失敗するたび、成功するたび、何かっていうと、文句を言うようになった。 文句をいうだけなら、まだいいけど、それだけじゃなかった。 今の父親は……いや、あの男は俺を殴るんだ。 俺がピアノで賞をとって注目されるたびに。 『お前がアイツと一緒に死んどけばよかったんだよ!!』 そう言って、殴る。