何のために生きてるの

それからというもの休みの日になると毎回式場にいってはほったらかしにされた


でも気づいたら話は進んでて



ドレスのサイズをみたり



そんなことがずっと続いて式の日が来た



「髪の毛可愛くしてあげるねー!」


何て言われて髪の毛をやってもらった



ツインテールで髪の毛はぐるぐる


リボンをつけて可愛くしてもらった


それからお姉さんに

「お嬢ちゃん達はお母さんのドレスの後ろを持ってあげてね!」

って言われちゃった



1個したのいとこと持つことになった


でもろくに話したことが無いから楽しくもなく笑うことも無かった




それから式が始まった
ドアが開いてお母さんが1歩ずつ歩いていった


その後ろをドレスを持ちながら私も着いていった

「おめでとー!」とか「ヒューヒュー」


とかいろいろ聞こえて来た


私はそれよりも恥ずかしかったことしか覚えていない



式が終わって写真を撮って


バタバタした一日だった




私が覚えてるのは美味しいご飯だけ



後は全くと言っていいほど覚えていない

式が終わってまたいつものよ暮らしに戻っていった


変わったといったらお母さんのお腹の大きさだけ


日に日に大きくなって行くお母さんのお腹を見てなんだか複雑な気持ちになった



血は繋がっているのに繋がっていない様な気がして


それでも大きくなって行くお腹を触りながら毎日を過ごした


学校に行くと毎日のように


「名前はもう決まった?」

「女の子?男の子?」

何度聞いたかわからないぐらい聞かされた



そして妹が生まれた

生まれてからは両親の目は妹にいき私と兄は放ったらかし
何かをするといつも怒られ怒鳴られ叩かれた

いつまで続くのか不安で溢れかえっていた
あの幸せだった生活はどこに行ったのかと自問自答の毎日だった。


何かすればまた怒られる、でも何もしなかっても怒られる。

何をすればいいか分からなくて毎日兄と二人で泣いていた。

妹は何をしても可愛がられ母たち機嫌も良くなる

それなのになぜ私たちが何かやったら機嫌を悪くし一日口を聞かない日もあったのに。

妹も大きくなり、またもう一人妹が生まれた。
あの苦しい暮らしがまた一段と苦しくなる。またあんな目に合わなくちゃいけない、怖くなった

でも逃げられない。やっぱりダメなんだ
頑張るしかない

それしか考えられなくなった


寒い冬になりインフルエンザが流行りだした。

その時はまだお腹の中にいた妹
母は絶対インフルエンザにかかってはいけないのであまり外に行くことはなかった。


でも兄がインフルエンザにかかってしまった。

「隔離しよう」

そう父が言った



その日から兄は隔離され一人でヘアに閉じこもっていた


「必要以上に外に出るな、トイレのとき以外は絶対に出るな。」

兄はそれを忠実に守った

でも母は心配だったのか頻繁に兄の部屋に行った。

「熱は?喉痛くない?熱くない?」

何度もいくもんだから父が怒った


「うつったらどうするんだ!赤ん坊が生まれてこないぞ!」
母は反省したのかずっと安静にしていた

「家事は俺がやる」

そう自分で言ったくせにほとんど私に押し付け仕事ばかりしていた

洗濯物、洗い物、お風呂洗い、ご飯洗い、妹とお風呂に入り、寝かすのが大変だったことを今でも思い出す


なんで自分で言ったことを最後までやり通さなかったのかあの時は全くわからなかった


ただ言われるがままにやっていた
兄のインフルエンザも治りすっかり元気になった兄は毎日勉強をしていた


いや、やらされていた


「こんな成績で高校が行けるか!甘く考え過ぎだ!お前も男なんだから高校を出て大学に行って仕事につきなさい!落ちこぼれになるぞ!」



真夜中に兄を起こし毎日毎日繰り返し同じ事を言っていた


母はただ泣くしかなかった。
兄も何も言わず言われっぱなし