塔に幽閉されてからダイダロスは
罪の意識でいっぱいでした。
自分は正しいことをした。でも、
イカロスが、あまりにも
かわいそうだと。



塔にいるのは、自分とイカロス。
それから、イカロスに惹かれてやってくる
塔までの高くを飛べる鳥たち。


まっくらな部屋には
蝋燭がたくさんありますが、ほかになにも
ありません。


「父さんはなにも悪くない。
正しいことをしたんだ。そんな顔しないでよ」


優しく微笑む息子になにかをしてあげたくて
ダイダロスは、考えました。