イカロスは決心しました。

彼女に話しかけようと。

次の日、早起きしてイカロスはベランダに
立ちました。高い高いベランダ。
彼女はどうやって現れるのだろう。

期待と不安に胸を高鳴らせ
ふぅっと息を吐いて、

なんとなく後ろを振り替えると


「きゃあ!!」



目を大きく見開いて
こっちをみているあの女の子がいました。



「君は、だれ?どうやってここまできたの?」


女の子を怖がらせない距離を保ちつつ
イカロスは尋ねました。


それでも女の子はかぶりをふって
イカロスを見つめるだけでした。

我慢できなくなったイカロスが、
少し彼女に近づいて再度尋ねようとすると

「きちゃだめ!!」


あの美しい歌を響かせる声で
女の子が叫びました。