翼を作りはじめてからすぐに、
イカロスは不思議な女の子を目にするように
なりました。

夜が明け、暁の光が指しはじめるころ
塔のベランダに静かに佇む女の子。

鳥たちが楽しげに鳴き始めると
一緒に何かを歌って

しかし、鳥たちが
その華奢な肩に、細い指に停まろうとすると
顔を歪ませて、鳥たちを追い払う。

太陽が真上に上がる頃に
ふゎっと消える女の子です。


イカロスは、知らず知らずに

「彼女と話してみたいな、」


そう思うようになりました。