そこで、ふと気付いたんだ。

 祠の中だよ。
 汚くはないんだけど、暗いんだ。
 明るいところで見たいじゃん。

 それに……。
 あんまり暗かったら、ちょっと怖いしね。

 思えば怖いと思った時点で、やめとけば良かったんだよなぁ。

 僕は刀を持ったまま、祠の奥に進んだ。
 祠は正面の入り口の他に、奥に障子みたいな引き戸があって、そこを開けると崖の上に張り出した濡れ縁があるんだ。
 僕はそこが結構好きで、お供えをした後は、濡れ縁に座って、よく下界を見てたんだ。

 で、そのときも引き戸を開けて、濡れ縁に出つつ、刀を抜いたんだよ……。
 その瞬間。


 何が起こったんだろうね〜。