白い布切れが供えてある。
 それに、こんな木箱、昨日まではなかったよな。

 僕は興味を覚えて、祭壇の前に置かれている木箱の蓋を、少し押してみた。

 ちょっと軽く押しただけだよ。
 簡単に開かなかったら、諦めるつもりだった。
 でも、蓋はあっさりとズレて、床に落ちたんだ。

「……うっわ……。すげぇ」

 思わず僕は、祭壇に身を寄せて、箱を覗き込んだ。
 そこには大きな刀が据えられていたんだ。

 そういうものを見ちゃうとさぁ、男の子ですもの♪
 抜いてみたくなるよねぇ。

 幸い、こんなところに来る人なんていないんだ。
 僕は手を伸ばして、刀の鞘を掴んだ。