~~陽菜side~~


理玖くんのナイス提案に私は浮かれていたんだと思う。

でも…お母さんに電話して、


「お母さん!私ね、新しい部屋は探さないで、理玖くんと一緒に住もうと思ってるんだ。
いいでしょ??」


『は???』


電話の向こうから、お母さんの呆れた声が聞こえた。



『……。明日春菜のお相手のご両親と会うのよ。そっちに行く予定にしてるから、明後日話し合いましょう。だからまだ、勝手に決めちゃダメよ。分かった??』


「……??分かったよ。」



電話を切ると、理玖くんが私の顔を心配そうに覗き込んでいる。


「お母さん何だって??」


「うん…それが明日ちょうど東京に来るから、明後日会って話そうってことになった。」



そうしてその日は深く考えず、理玖くんとのデートを楽しんで、大人しく春ちゃんの待つマンションに帰ったのだった。