お姉さんの声が出ない事は
何となくわかっていた。



でもそれは、生まれつきなんだろうと


そう思っていたのだ。




あまりに衝撃的な話で
頭が追いつかない…。





2人に何と声をかければいいのだろう。



俺に言ってやれることなんて1つもない。



俯く俺を見て

「お前、朝比奈さんが好きなのか…?」

と、陸は聞いてきた。





俺は頷いた。



たぶん俺はお姉さんに恋してる。

女とは無縁だったため
この歳になっても、恋なんて知らない。