「未羽!」
突然現れた俺にびっくりした顔の美奈と未羽。
「私はさき帰ってるね!」
「え?」
未羽は助けを求めているが美奈は俺が何を言いたいのかわかっていた。
二人になって未羽は不機嫌そう。
「未羽俺さ・・・」
「私翔太と話したくない。」
「え?」
「ごめん。もう、話したくない。」
びっくりしたが承知の上だった。
俺は勇気を出した。
「未羽!ごめん!あいつは彼女じゃないんだ。」
後ろを向いて帰ろうとする未羽の動きが止まる。
「えっ?じゃ何?彼女じゃないのに一緒に帰るの?」
「おどされたんだよ。愛に。」
「何?お金とか?」
泣きそうになりながらも無理に笑いを作る未羽。
これも俺のせいだよな。
「お前。」
「お前を!傷つけようとしてたから。」
「え?私?」
「俺はお前が好きだから!お前が傷つくの嫌だったんだよ。耐えられないから俺はあいつと付き合ったんだよ。」
「・・・」
(返事がない・・・)
未羽を見るとたまっていた涙を全部出すかのように泣いていた。
俺はそんな未羽をそっと抱きしめた。