痛む腕を動かし、酸素マスクを外し上半身だけ起き上がる。
お母さんは気まずそうに私から視線を外した。
「春斗くん、まだ、目を覚ましてないのよ……」
ぼそり、と呟いた母の一言が私の心に刺さる。
どうしよう、私のせいだ……。
私はベッドから飛び降り、カーテンを開け扉に向かって走った。
「春斗はどこ?!お母さん!早く!!」
お母さんのもとまでまたもどり、無理やり立たせた。
バランスを崩し倒れそうになるお母さんを支え、案内してもらう。
しばらく歩いていったところでお母さんが1つの扉の前で止まった。
きっと、この先に、春斗が。
ふーっと一息はいて、扉を開ける。