「俺も入院してるから見かけたら話しかけて良い?」
「いいけど……」
「よかった!それじゃ、ばいば~い」
空になったオレンジュースのパックを捨てた彼はぶんぶんと私に手を振ってその場を去った。
本当に変な人だな……。早く春斗のところに戻ろう。
春斗の病室の前につく。扉を開けようとしたとき。
「なあ、兄ちゃん……。いつになったら起きんだよ?
今度一緒に野球見に行こうとか言ってたじゃん。
兄ちゃんが一番乗り気だったのにさ、ほんと……」
扉からかすかに漏れる声。
扉に背をついて、しゃがみ込んだ。
春斗、早く目、覚まして?みんな春斗のこと待ってるんだよ?