「だからさ、春斗、早く起きてよ……。ね。
一緒にいるって言ったじゃん………」
それでも反応のない春斗。
こらえきれなかった涙がこぼれ落ちる。
そのとき、がらっと扉が開いた。
泣いているのがばれないように、私は顔を伏せた。
「あっ、さゆりさん。来てたんですね」
「う、うん。私ちょっと飲み物買ってくるね」
入ってきた陸斗くんと入れ替わりに私は病室から出た。
出てすぐのところで涙を拭いて、1階までおりる。
陸斗くんにもジュース、買ってこようかな。
自動販売機の前に付いたところで、何を買おうか迷う。
「もし今、楽しい気分ならりんごジュース飲むかな」
真剣に自動販売機の前でなやむ私の後ろで声がした。
ビックリして振り向いてみると、そこには同い年くらいの男の子。