「あー、いいよ。な、春斗?」
「おう、勿論。よろしくな!」
私とゆっこの両方を見て笑ってくれたんだろうけど、それがなんだか私だけを見て笑ってくれたような気がして馬鹿みたいに鼓動が早まる。
「じゃ、俺報告行ってくるわ」
「あ、じゃあ私も!!」
席を立つ諒の後ろを慌ててゆっこが追いかけて行った。
2人残された、私と彼。
騒がしい教室内の、ここだけが静かだった。
「あのさ!」
「は、ははははい?何でしょうか?」
急に話しかけられ、吃驚してしまう私。
出来るだけ早く返そうと思う気持ちだけが先に行ってしまい、かみまくってしまった。
あー、恥ずかしい。なんて思っていると彼は俯いて肩を揺らした。