「じゃ、班決めるよー。男女2人ずつで適当に組んでー。決まったら私に報告して?」
学級委員長の女の子が教卓前に立ってそう言えば、何人かの生徒が動き出した。
『お願い、涼(リョウ)と同じ班になるようにして?さゆり、中学んときから仲良かったじゃん』
ゆっこに言われたその言葉。
私は後ろを向いてゆっこと目を合わせ、互いに無言でうなずいた。
「行こ」
周りのクラスメイト同様、私たちも席を立ち諒の席へと向かう。
諒は後ろの席の男子と喋っていた。
「りょーう??」
「おー、さゆり。何お前ら組むの?」
「う、うん」
ゆっこが顔を赤く染め諒の問いに答える。