「....あら、こんなところに一人でお散歩?」


とても綺麗な、スーツ姿の女性。

真っ黒で艶のある長くて綺麗な髪。
こんな山奥に不釣り合いすぎる、そのくらい綺麗な人。


「....あ、えっと」
「しかも若いじゃない。....20代前半ぐらい?」

その女性は私の目の前にきて、顔をゆっくりと見つめる。

「は、はいっ。今年で23になります....。」


無意識に顔が赤くなってしまう。
だってこの人、本当に、綺麗なんだもん....。


「なんでこんな場所に?って思ってるんでしょう」
「えっ!?い、いや、別にそんなことはっ」
....本当は思ってるけど。すみません。


「隠さなくて良いわよ。精神科関係の施設に勤めてるから、大体分かるの」
「せ、精神科関係....?」
「心療内科とはまた別の特殊な施設。まぁ貴女みたいな人には縁の無い場所でしょうけど」

な、なんだか不思議なお姉さんだなぁ。
若く見えるけど、私に若いって言ったってことは....一体いくつなの?


「32よ」
「えっ!?」
「年齢。今年で32になるわ。」


え!嘘....。全然見えない....。
てゆうか!なんで思ったこと分かるの!?