色々考えてみたけれど、やっぱり来た道を戻る方法が一番安全だと思う。
初めからやり直し。考えるだけでぞっとするけれど、ここで諦めてしまったら何だか負けたような気分がして悔しい。
それからまた来た道を戻って記憶を辿りに歩き出した。
自信はあまり....無い。
でも蓮との記憶をただ思い出しながら、ひたすら山道を登る。
そのまま家に帰れば良いのに。そんな心の声を何度も無視しながら歩き続けた。
「あ....この道かもしれない!」
蓮が手を引いて連れてきてくれた、あの場所に辿り着いた。
ここだ。この場所だ。間違いない。
目の前の木々を払い除けると、あの風景が見えた。